さとまも談義|テクノロジーと体験とアートと

テクノロジーとビジネスと人の関係性にずっと興味があります。アートやダイバーシティのキーワードも含めて、世界がどう変わっていくか、変えていけるかをお酒を飲みつつ考えるブログ

ブレーンストーミングは時間の無駄か?

SBI北尾さんのブログに触発され、僕もブレーンストミングについての個人的な見解を述べたいと思い、筆を執りました。
さて、皆さんは「ブレスト」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

  • 色々な意見が出て、新しい事業・課題解決案が生まれた!
  • やってみたけど、アイディアが出なかった
  • ブレストしようと言われて集まったのだが、上司の独壇場で発言できなかった etc


世の中には、間違ったブレーンストミングが溢れています。また、いつも"正しい"ブレーンストミングが必要かといえば、そうでもなかったりします。僕がコンサルティングワークを進める際「ブレストしよう」と言うときには、2つの明確なパターンがあります。

  1. 多種多様な視点から、純粋にアプローチやアイディアを収集したい
  2. 参加者と一緒に考えたという一体感を醸成するために、ブレストという形態を取る


まず、一つ目から説明しましょう。これは社内のチーム内で実施することが多いのですが、いわゆる正統派ブレーンストミングです。お題目は主催者がきちっと考える必要がありますが、自由闊達に意見を述べ、発想を膨らませるのが目的です。自由、かつ大量に…という点が重要なので、声の大きな人に左右されないよう、最初はポストイットで各自の意見を書き出したりする等の工夫をします。難しいのは、テーマが広い場合にどのように収束させるか、という点。これはファシリテーターの力量により、かなり左右されます。逆説的に言えば、特定のテーマに絞り込めば込むほど、ファシリテートは楽になります。

2つ目。
これは、仕事柄というのもあるのですが、全員で意見を出し合ったことにより、合意形成を容易にするため、ブレーンストミングという形式を活用するパターンです。この場合、事前にチーム内でどうようのブレストを何度かトライアルしてみて、「何を落としどころとするか」を整理しておきます。ブレーンストミング自体では、オープンに意見は受け入れるものの、最終的には事前に想定したフレームワークや方向性に当てはめて、ファシリテーションを実施します。つまり、僕らにとっては多少の誤差はあれど、想定の結果を得ることになるわけです。「なんだ、しょうもないことをやっているな」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、この手法は大きな威力を発揮することが多々あります。ぜひ、みなさんも試してみてください。

ちなみに、いずれの場合もブレーンストミングの基本ルールを守って進行することが最低限必要。こういうことも知らないで、えらそうにブレーンストミングだから自由に意見を言いたまえ、という上司にはならないように気をつけてください。参加者に対しても、とても失礼だと思います。
(参考)ブレーンストミングのルール

  • 判断・結論を出さない(結論厳禁)
  • 粗野な考えを歓迎する(自由奔放)
  • 量を重視する(質より量)
  • アイディアを結合し発展させる(結合改善)


あと、成功理にブレーンストミングを実施するには、「センスの良いテーマ」を定義することと、収束時に適切なフレームワークに落とし込めるかが大変重要です。ここは脳みそ勝負なので、主催者の方々はぜひ意識して頂きたいところ。いかに当日のファシリテーションが上手くても、もともとのテーマが曖昧だったり、ずれていたりするとブレーンストミングの効果は10分の1くらいになります。最後のフレームワーク化でもたつかないためにも、シャープなテーマを設定し、事前にある程度の構造を想定して把握しておくべきダと思います。

色々と書き綴ったものの、場数をこなすことも重要なので、みなさんもぜひ気軽にトライしてみて欲しいと思います。僕自身は決して時間の無駄とは思いませんので。

◆北尾さんブログ
http://www.sbi-com.jp/kitao_diary/archives/201406129121.html